首藤直輝

首藤直輝は1990年パリ生まれ、ロサンゼルス在住。

彫刻やインスタレーション、写真や絵画の形をとる首藤の作品は、素材や技法を苛烈なまでに洗練し尽くしている。その風変わりな洗練、技巧の誇示、慧眼によって、これらの作品はその文学的な秩序においてジョリス=カルル・ユイスマンスやジョルジュ・バタイユを彷彿とさせる退廃的な誘惑の様相を呈している。また、小宇宙の概念へのある種の憧憬、つまり宇宙を人間の手の大きさにまで縮小することで、技術的な熟練と合理性がその真逆のものを現すところまで追い込まれていることも見て取れる。

フランスで生まれ、日本で教育を受け、現在はロサンゼルスを拠点に活動するこのアーティストは、その作品において、多様な文化的影響だけでなく、言語に対する特異な概念を示している。ここではしばしば、翻訳のプロセスそのものや、記号の逆説的な実体化、意味のズレという日常的な体験に内在する不条理への嗜好が見られる。

首藤の作品を取り扱うギャラリー:Galerie Crèvecoeur (パリ)Derosia (ニューヨーク)XYZ Collective (東京)